はじめまして。VAST Data Japan のカントリーマネージャーを務めている藤井です。
このブログは、単なる製品紹介のために始めるものではありません。
むしろその逆で、いま私たちが前提としている「データインフラ」という概念そのものが、すでに時代遅れになりつつあるという問題意識からスタートしています。
■ ストレージという言葉は、もう古い
もし 10 年前に戻れるなら、「ストレージをどうするか?」という議論は正しかったと思います。
しかし今は違います。
AI の時代においてデータは「保存するもの」ではなく、「常時流れ続け、計算され続ける燃料」です。
にもかかわらず、多くの企業はいまだに
ストレージ
データベース
データレイク
分析基盤
といった「分断された前提」の上で AI を構築しようとしています。
これは例えるなら、料理をするたびに、材料や調理器具を別々の建物から集めてこなければならないようなものです。
AI がスケールしない理由は、GPU が足りないからではありません。必要なデータを、必要な瞬間に、すぐ計算に使える状態にできていないからです。AI が本当にスケールしない理由は、モデルでも GPU でもありません。その手前にある「データの構造」が壊れているからです。
■ VAST Data がやろうとしていること
VAST Data は 2016 年に米国で創業しました。
日本オフィスは、2023年12月に開設しました。
私たちの問いはシンプルです。
「もし最初から AI のためにデータ基盤を設計し直すとしたら、どうなるか?」
その答えとして生まれたのが、従来のストレージの延長ではない、AIネイティブなデータプラットフォーム、VAST AI Operating System(VAST AI OS)です。
ここで重要なのは「速いストレージを作ること」ではありません。
データの配置
データの共有
データのアクセス
GPU との距離
これらすべてを一つのアーキテクチャとして再設計することです。
言い換えれば、私たちはストレージ企業ではなく、「AI の神経系そのものを設計している会社」だと考えています。
■ 日本市場は「最後の最適化フェーズ」に入っている
日本でビジネスを本格的に展開して感じるのは、明確な変化です。
多くの企業がすでに「AI をやるかどうか」ではなく、「AI をどうスケールさせるか」に移っています。
そしてその瞬間に必ずぶつかるのが、データです。
GPU はある
モデルもある
クラウドもある
それでもスケールしない。
理由はシンプルで、データが AI の速度に追いついていないからです。
このギャップを埋めることが、今まさに日本市場で起きている本質的なテーマだと考えています。
■ 小さなチームだが、やっていることは大きい
VAST Data Japan のチームは、まだ大きな組織ではありません。
しかし重要なのは規模ではなく、どのレイヤの問題を解いているかです。
私たちは日々、
既存アーキテクチャの限界
AIワークロードの現実
GPU時代のデータ設計
といった「構造問題」に向き合っています。
これは単なる営業活動ではなく、次の 10 年のインフラをどう定義するかという仕事だと考えています。
そして現在、日本オフィス開設から 3 年目となり、この VAST Data のビジョンに、賛同、共創いただける強力なパートナー企業様と共に、VAST Data のテクノロジーを皆様にお届けすることができます。
■ このブログでやること
このブログでは、以下のようなテーマを扱います:
・なぜ従来のデータレイクは AI で破綻するのか
・GPU時代におけるデータアーキテクチャの再定義
・RAG や AIエージェントがインフラに与える本質的影響
・「データを持つ企業」と「データを使い切る企業」の分岐点
その上で、VAST の機能や設計についても踏み込んで解説します。
単純な機能の説明だけでなく、なぜその機能が必要とされるのか、まで落とし込んでお伝えします。
そして可能であれば、お客様やパートナー、そして VAST のエンジニアも含めて、現場の「思考そのもの」を共有する場にしていきます。
■ 最後に
AI は単なる技術革新ではありません。
それは、データの扱い方そのものを再定義する産業構造の変化です。
そしてその変化は、すでに始まっています。
10 年後に振り返ったとき、「なぜあのときデータ基盤を変えなかったのか」と言われる時代が来ると、私たちは本気で思っています。
VAST Data Japan は、その変化のど真ん中にいます。
このブログが、その「現場の思考」を共有する場になれば幸いです。
これから、どうぞよろしくお願いします。



